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宗宮誠祐のblog

名古屋郊外赤池駅近くのジム自由人の代表(ロックジム破天荒、ボンクラージュ、Dioも)blog

「古美山・ティックマーク事件について(2)」

「古美山・ティックマーク事件について(1)」で、フリークライミングにチョークが使われはじめた時に、クライミング界の重鎮の間から批判が発生し、ボルダリングの父・ジョン・ギル先生が釈明をしなければならない状況があったほどだ、と書きました。


しかし、今、岩場で登っているクライマーのほとんどはジムでクライミングを開始したはずです。チョーク禁止というジムは絶滅したと思いますから、そういうクライマーにとって、クライミングとチョークの関係は、体操とチョーク、野球とロジンバックと同じはずです。つまり、フリークライミングで滑り止めにチョークを使うことは、普通のことだと思います。


そこに、いきなり、「そもそもチョークの使用がけしからん!! フリークライミングの原則違反だ!! ティックマークは論外だ!!」って、上から目線で説教されても、「意味わかんないですけど」とならざるをえません。


そこで、今日は、クリーンクライミングの父・ロイヤルロビンス先生が、どういう場合に、どういう理由でチョーク使用はけしんらん、とおっしゃったのか。この批判に対して、ジョンギル先生が、どう釈明したのか、このあたりを紹介しようと思います。


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まず、ロイヤルロビンス先生です。


ニー・バット、テーピング、チョークやトポはNGだ 初登者が使っていない時は


「クライミングの分野における科学技術の発達は、福音であると同時に、のろうべきことでもある。そのおかげで可能性の限界が広がったとはいうものの、それだけ冒険的要素が失われてしまったからだ。・・・ゲームというものは制限があってこそ面白いものだけにやたらな可能性に歯止めをかける意味で、科学技術を取り入れるにあたっては、選択が必要なことも事実である。・・・新たな用具が開発されているだけに、われわれとしてはそのたびに、はたしてそれを用いるべきか、また用いるとしてもどのような状況下で用いるべきかについて、常に決断をせまられている。

創始者が創り上げたものをできるだけそのまま体験することが目的であれば、創始者と同じ限定された手段で課題に取り組むのが本筋だろう。・・・初登者が何も用いないで登った広いクラックに大きなチョックを用いるのも同罪である。このように、その他程度の差こそあれ、ニー・バットを用いたり、手にテープを巻いたり、チョークやトポ、リベット、吸着カップまで用いるにいたっては、何をか言わんやだ。」(ロイヤルロビンス, 1973)


というわけで、初登尊重原則論の創始者の一人であるロビンス先生は、初登者が用いなかった場合、フレンズ、テービングテープ、ニー・バットの使用にダメだしをされています。加えてトポでさえNGとのことです。Youtubeなんてとんでもないということになるでしょう。


次は、ジョンギル先生の釈明です。


「ボルダリングにおける人工的手段についてはどう思いますか? たとえば靴につける松ヤニの粉とか・・・」とインタビュアー(パット・アメント)に聞かれ、ギル先生はこう応えます。


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いささか責任を感じるが、少なくともボルダーでのチョークは許される

「議論の種の一つにーあらゆる場所で問題になっているわけじゃないが、山岳雑誌などでよく目にするだろーチョークの使用がある。これについてはぼくもいささか責任を感じている。というのは、たぶんクライミングにチョークを使ったのはぼくが最初だから。1950年代末に、体操用のやつを使ったんだ。


伝統主義のクライマーがチョークの使用に反対する気持ちはわかる。そういう人達は、昔の連中のように、山へ行ってロマンチックな冒険を味わいたいんだ。しかし、そういう彼らも今ではガイドブックをもっており、そこにはグレードや携行すべきナッツのサイズが書いてある。まあ、それでもぼくは彼らの気持ちは理解できるがね。ぼくは今でもチョークを使っているし、おそらく今後も使うだろう。なぜなら、ボルダーでチョークを使うのはなんら悪いこととは思わないからだ。


ところで今、靴に松ヤニをつけるクライマーがいると言ったね? それはまったくの話、ルートを破壊することになるよ、ある意味でね、どんなクライミングの分野にしても、松ヤニの使用は非常にまずい、チョークは簡単に洗い流せるし、柔らかいワイヤーブラシでこすり落とせる。たしかにときどき汚く見えることはあるが、それにしたってまあ、たいしたことじゃない」(ジョンギル, 1977)


上記は約40年前のお話です。さて、みなさんはどう思われますか?


なお、最後の「ワイヤーブラシ」は「豚毛ブラシ/ナイロンブラシ」の打ち間違いではありません。念のため。

  1. 2017/02/20(月) 09:36:00|
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