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宗宮誠祐のblog

名古屋郊外赤池駅近くのジム自由人の代表(ロックジム破天荒、ボンクラージュ、Dioも)blog

豊田・大田の煌(KIRA)初登セッション & 豊田の岩場開拓の伝統

豊田・大田の公開プロジェクト・通称「どすらぶ」初登セッションのキッカケ

25年くらい前、『岩と雪』151号に「力あるクライマーのために常にルートはオープンにしてゆくべきだ」という論考を投稿しました。

この年末年始の「どすらぶ」(豊田・大田の「30年来のオープンプロジェクト。設定・Yさん)初登を巡る世代間バトルは、この一文と密接に関連しているので、再度、御紹介することにします。

今読み返すと、気恥ずかしい記述があります(若気の至り)ので、そこは読み飛ばしてもらえると、たいへんありがたいです(笑)。

なお、初登バトルは、既にお伝えしたように、2017年1月2日の午後に決着し、その夜、ぼくは全面的に禁酒を解いて、「先に初登されて悔しい」という、最高の祝福メールを読みながら、かなりのハンデ(12月下旬にムーブ確定)とダーティな作戦(出だしのムーブを見せなかった)のことは棚に上げ、(まだまだ、若いもんには..)とくだを巻いて、気分よく酔っぱらうことができたのでした、「嵐」初登の日と同じように。


ルート名は煌(KIRA)。グレードは5.13−くらいでしょうか。イボルブスタッフMさん、2日間、ビレイありがとうございました。


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「力あるクライマーのために常にルートはオープンにしてゆくべきだ」『岩と雪』151号

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今回のルートは誰のものかという問題は、開拓から初登までの利用はどうあるべきか、すなわち、”ルート開拓の仁義”を問うものと認識している。そこで、この機会にわたしたちの仁義ー愛知流ーを紹介させていただこうと思う。この流儀は瑞浪屏風山・豊田・石巻山開拓の過程で形成された伝統的流儀である。その原則はおおむね次のようだ。

➀岩は、そこにトライしたい全てのクライマーに常に平等に公開する。もちろん初登前であっても。
➁新しい岩場・試登ルートの情報は、それを知りたいクライマーに快く公開する。

そんなわけで、クライマーはトライをしたければ朝一番に出かけて行けば良い。もちろん後から挑戦者が現れれば仲よくかわりばんこにトライすることになる。このルートは○○さんのやっているルートだからと遠慮することはまずない。試登者の側も、その辺は諦めているのか、地元クライマーによるルートの囲い込み現象(張り紙・ロープの固定・ハンガーはずし・脅し)は観察されなかった。

極端に言えば、この地方では、たとえ掃除中であってもそこは万人のトップロープ課題であり、ボルトが打たれた瞬間からそれは公開されたリード課題である。

したがって、初登したければ毎日のように出かけて行くしかない。しかし、仕事がという人もいるだろう。でもどうしても初登したければ仕事は辞めればいい。

また、うまい奴に横取りされると思う人もいるだろう。でも、それは悔しいけれどもやむを得ない。自分がもっとうまくなればいい。
各人に濃淡はあると思うが基本的な考え方はそんなところだ。

第一、皆の情けにすかって形だけの初登をするより、何人もがトライし敗退した△△ルートを○○が初登というフレーズの方がはるかにかっこいい。「登られちまったらひと晩泣いて酒でも飲んで出なおそうや」、そんなところか。

このあたりの機微は恋愛にたとえるとよくわかる。昔ー10年も前のことだがー好きになった女性がいてずいぶんと悩んだことがあった。しかし、友人の的確な忠告でこの苦悩は速やかに解消された。どうしても欲しければ、奪えばいい。けだし、名言であるとわたしは思った。で、素直なわたしはむろんそうした。もっとも因果は巡り一年ほどして彼女は他の男性のところへ行ってしまったが・・・。わたしが愛知流をすんなり受け入れられたのはこの経験と無縁ではないと思う。
 
これまでの8年間、わたしは試登中のルートでも「やってもいい?」と言われれば「どうぞ」と言ってきた(内心はともかく)。岩場の情報も聞かれなくてもすべて提供してきた。もちろん、これからだってそうするだろう。

愛知流ーもちろん欠点もあるーは、この地方のルートの質と量に大きく貢献したと思う。もし東海山岳会がイヴを独占していたら、もし三品氏がカンノンクラックを公開しなかったら、もしわたしたちが鳳来湖周辺の目ぼしいルートを囲い込んでしまっていたら、わたしたちのクライミングは停滞したままだったに違いない。選択は間違っていなかった。

岩の少ない日本はこれからルートの枯渇に苦しまなければならない。とくに高難度ルートは貴重な資源となるだろう。それらのルートを常にオープンにしてゆかなければ、この国はいつまでたっても三流のままだ。力あるクライマーが義理と人情に縛られて、何ヶ月も指をくわえて初登を待たねばならないような状況は避けるべきである。
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  1. 2017/01/15(日) 11:31:00|
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