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宗宮誠祐のblog

名古屋郊外赤池駅近くのジム自由人の代表(ロックジム破天荒、ボンクラージュ、Dioも)blog

ロイヤルロビンスの初登尊重の原則について(2)

昨日の ロイヤルロビンスの初登尊重の原則について(1)の続きです。

  

昨日はロイヤルロビンスの提唱する初登尊重原則(初登者意思尊重原則という方もいます)は2つの要素に分解できるという私見を開示しました。即ち:  

1. 初登ルート保護原則
2. 初登スタイル尊重原則  

今日は、言わば初登者からの「お願い」である初登スタイル尊重原則について、もう少し書こうと思います。

初登スタイル尊重原則の話をすると、たいてい、こういう意見に出くわします。  

「例えば、瑞浪のフィンガークラックのイヴの初登は、①シューズはフィーレ、②グラウンドアップてプロテクションをセットし、③プロテクションはナッツのみ、そして、④核心部では右のカチは使用せずに、クラックと真っ向勝負したわけですから、①から④を全部満たさないと、初登スタイル尊重原則違反でRPしたとは言えませんよね」

初登スタイル尊重原則=初登と全く同一のスタイル&ギアで登ること YES or NO  



  上記は複数の誤解があるように思います。三点述べてみます。

  

まず、RPしたかどうかは、RPの定義に照らし合わせて判断されます。 この定義には初登スタイル尊重原則の遵守は書いてないですから、この原則に違反したとしても、RPの認定自体は揺るがないでしょう。「あんなスタイルで登ってRPしたとか言ってる。恥ずかしくないのか」と非難される怖れはありますが....



 RP=あるルートを、そのスタートからゴールまで、設定された登攀ライン上の凹凸等の岩の形状を、自分の手、足、身体の一部を使って、 ロープに一度も荷重することなしに、 登りきること 


次に、 初登スタイル尊重原則は初登者と同一のスタイルで登ろうことではなく、少なくとも初登者と同じ、できれば、より「良い」スタイルで登ろうということです。  

ですから、RPで初登されたルートをオンサイトした場合は、同一スタイルではありませんが、オンサイトはRPよりも「良い」スタイルなので初登スタイル尊重原則違反ということにはならないのです。

 「良い」という言葉は曖昧な言葉ですが、トライ数、事前情報量、そして、ロープの使用不使用等によってランク付けされます。ですから、最も良いスタイルはオンサイト・フリーソロです。従って、初登スタイルがオンサイト・フリーソロだった場合は、初登スタイル尊重原則を遵守するには、再登者もオンサイト・フリーソロしかないことに....

初登より高性能なギアの使用は...

 次に、①②③です。これはやっかいな問題です。なぜなら、この意見は正鵠を射ていると思うからです。

「既成のルートで新しい用具を用いるとなると、事情は違ってくる。創始者が創り上げたものをできるだけそのまま体験することが目的であれば、創始者と同じ限定された手段で課題に取り組むのが本筋だろう。したがって、エクステンション・ロッドを、それを用いないで登られたルートで用いるのは筋違いだ。....初登者が何も用いないで登った広いクラックに大きなチッョクを用いるのも同罪である。このように、その他程度の差こそあれ、ニー・バットを用いたり、手にテープを巻いたり、チョークやトポ、リベット、吸着カップまで用いるにいたっては、何をか言わんやだ。」(ロイヤルロビンス, 1973)

というようなわけで、ぼくは「ロビンス先生、ごめんなさい」と手を合わせた後、こう釈明(言い分けとも言います。笑)することにしていました。  



「確かにフィーレより格段に性能の良いシューズを履いて、格段にプロテクションを取りやすいカムを使って、初登者に並んだ、と自慢するのはおかしいと思います(そもそも、再登者は、ここはフリーで登れるという情報があることで有利ですし)。ですから、自分のRPよりも価値のある初登へ敬意を払うと共に、新しいギアを使って、より難しいルートを拓いて、クライミングコミュニティの進化に貢献したいと思います。」 

 最後に④です。これは一番やっかいな問題です。

初登者のとおりに」という意味は?

 具体的には「初登者のとおりに」の解釈の問題と思います。いくつかの解釈が可能です。

 全部を挙げるのは無理なので数例挙げてみようと思います。

 1.「初登者のとおりに」とは、スタートとゴールが初登者のとおりにということだ。この場合は、初登がトップアウトしてゴールしているのに、終了点にクリップして終わってしまったらRPではないと批判されそうです。一方、核心部を大きく回避して登ってもOKとなるでしょう。



 2.「初登者のとおりに」とは、スタートとゴールだけではなく、登攀ラインも初登者のとおりにということだ。 この場合は、 核心部を大きく回避して登ったらRPではないと批判されそうです。一方、初登者が使っていない登攀ライン上のホールドを使ってもOKとなるでしょう。

  

3. 「初登者のとおりに」とは、スタートとゴール、登攀ラインだけでなく、使用するホールも初登者のとおりにということだ。 この場合は、 身長の低いクライマーが初登者が使わなかったホールド使って登った場合RPではないと批判されそうです。一方、初登者と全く同じムーブでなくともOKとなるでしょう。

4. 「初登者のとおりに」とは、スタートとゴール、登攀ライン、使用するホールドだけではなく、ムーヴも初登者のとおりにということだ。 この場合は、 初登者と全く同じムーブでないとRPではないと批判されそうです。  

さて、どの解釈が妥当でしょうか。

  

IMG_5832.jpg 

初登者の振り付け通りに登るのは人工壁だけで十分では?

直感的には2だと感じます。1だと違うルートのような気がします。3と4は、人工壁ならともかくも外岩ルートにはなじまないのではないでしょうか。手足限定でホールド選択の自由を制限されたり、手順さえも指定され振り付け通りに登るのは人工壁だけで十分ではないでしょうか。

外岩は証明が複数ある証明問題に似ていると思います。初登者がどのようにその問題を証明したのかが不明なまま、より合理的な証明を探求する点にこそ外岩ルートと格闘する醍醐味があるとぼくは感じます。そして、自分の証明が初登者の証明よりもエレガントであった場合、例えば、初登者が使用しなかったホールドを使って、より合理的で美しいムーブを見つけた場合、その喜びはひとしおです。というわけで、少なくともぼくには、外岩の最大の魅力は、この創造的クライミングができる点にこそあるのです。

更に付言すると、3と4はオンサイトトライという概念とも衝突しそうです。オンサイトトライとは事前情報を0、しかし、0はなかなか難しいから可能な限り極小にして勝負しようというスタイルです。ですから、あらかじめムーヴがすべて指定されていたり、ホールドにすべて目印が付けられていたら、その情報量はかなりのものですから、これらの情報を得た上で登ってもオンサイトとは言いにくいのではないでしょうか(人工壁のオンサイト競技はホールドがわかりやす過ぎるので、外岩と比較すると真のオンサイトとは言いにくいと思います)。

3や4とオンサイトトライの調和をはかる対策としては、これらの事前情報なしでオンサイトトライして映像を記録し、初登ムーブand/or初登時使用ホールドと照らし合わせて、オンサイトの認定をするという方法が考えられますが、なにか違和感を感じます。 

 さて、イヴのRPですが、ぼくは、最新の勝負シュースで、最新カムを使って、右カチを使って登るのもありと思います。ただ、いつかある日、モカシム(さすがにフィーレは入手できないと思うので)、ナッツ、右カチなしでトライして、昔のクライマーに思いを馳せてみるのは、なかなか良いアイデアではないかな、とも思います。

 続く
  1. 2017/01/09(月) 23:13:00|
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