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宗宮誠祐のblog

名古屋郊外赤池駅近くのジム自由人の代表(ロックジム破天荒、ボンクラージュ、Dioも)blog

ロイヤルロビンスの初登尊重の原則について(1)

初登尊重の原則について多くの持論を開示したのはロイヤルロビンスです。例えば以下です。 

初登ルート保護原則

「登山倫理で最も考慮の対象とすべき命題は、既成のルートはできる限り初登のときの姿のままで保護し、あとの者が楽しめるようにしておくこと、ということに尽きる。」(『ロイヤル・ロビンスのクリーン・クライミング入門』(森林書房, 1977))」

もしこの意見に完全に同意するのであれば、既成のルートのホールドが欠けた場合は、その破片を接着剤ではり戻して、そのルートを修復し、初登のときの姿のままで保護しようとすることに不合理性はないと思います。

反対に、もし上記のロビンスの意見に完全に同意しながら、「岩は欠けるものだ。修復とはいえ、手を加えるのはNGだ。レットイットビーが正しい。」と破片を捨てた場合は、こう批判されたら反論に窮するのではないでしょうか。

「欠けたホールドを捨ててしまったら、課題を初登のときの姿のままで保護する機会が消滅してしまう。ルート保護原則に抵触する。破片は保管し初登者に連絡すべきだ。

なお、このルートの保護原則は、倫理では不十分で一定の強制力が必要だとぼくは考えています。この点について、ぼくの課題著作物論は、ルートの保護=同一性保持となりますので、その侵害は法的に許されない。つまり、他者にたいして、「ルートを故意に変えるな」と強制可能で、違反した場合は法的責任を問えることになります。




ロイヤルロビンスはこうも書いています。

初登スタイル尊重原則

ルートはいわば芸術作品であり、初登者の創作物である。そこに新たにボルトを打ちこみ、やっかいなルートに仕立て上げることは、初登者を侮辱するのみならず、初登者のとおりにそのルートをトレースしたいと思っている者の楽しみを奪う行為だ。これは他人のものした絵や詩を勝手に「改訂」する行為に等しい。へたでもいいから自分の絵や詩を発表するほうがましというものだ。」(『ロイヤル・ロビンスのクリーン・クライミング入門』(森林書房, 1977))」

もしこの意見に完全に同意するのであれば、安全確保を理由に新たにボルトを打ちたすことはできません。たとえ死亡事故が発生して岩場が立入禁止になるとしても、立入禁止の方を選択することになります(どんな原則にも例外があると考えることは可能ですが)。

ここで一点補足します。ロビンスの初登尊重原則論は、ルート保護原則+「初登者のとおりにそのルートをトレース」という初登スタイル尊重原則の2つからなるとぼくは理解しているのですが、後半の初登スタイル尊重原則については、こう解釈しています

初登スタイル尊重原則はガイドライン あくまでリクエスト

初登スタイル尊重原則とは、「この原則は妥当な考え方だ。だからクライマー全員が守ると良いと思う。もちろん自分も守りたい」。こう、ある既成課題にトライしようとするクライマーが自らの意思で自由に判断し、その実践に努めるガイドラインのことである。

もしこの解釈が正しければ、そもそも、この原則は他人に強制できる性質のものではないのですから、こう言われた場合、反論する論理はないように思います。

「「初登スタイル尊重原則、いいよねえ」と、啓蒙に努めるというのであれば別だが、「初登スタイル尊重原則があるんだから、○○すべきだ」や「初登スタイル尊重原則違反になるから××してはいけない。」と他のクライマーを厳しく非難し、この原則を無理強いしようとするのは行き過ぎだ。どんなスタイルでフリークライミングしても、物理的にルートが大きく変化することはなく、ルート保護原則は守られるのだから。」

加えて、ぼくは、自由原則(何をするのも自由だ。他人の自由を侵害しないかぎり)や 自己決定原則 ( 何をするか、しないかの決定権は本人のみにあり、他者による強制は不当) が、初登スタイル尊重原則よりも、優先すると考えています。

以上から、岩場で、1本目はもちろん3本目までスティッククリップする方、 2m近いヌンチャクを導入している方、 取り付きに石をたくさん積んでスタートする方などを目撃した場合は、(おおっ) とは思いますけど、その行為を批判する状況には至らないのです(特に、三番目は、果たして再登と認定可能かという別の問題はありますが...)。

つまり、この点についてのぼくの選好は、初登ルート保護原則違反(eg.チッヒングやボルト打ちたし)にならない限り、ロビンスと登攀倫理をめぐって激しく対立したハーディングの考え方ということになるわけです。

「君は君のやり方でやりたまえ。私は私のやり方でやる」。(『ビヨンド・リスク』(山と渓谷社, 1996)

続く

  1. 2017/01/08(日) 23:43:47|
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