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宗宮誠祐のblog

名古屋郊外赤池駅近くのジム自由人の代表(ロックジム破天荒、ボンクラージュ、Dioも)blog

リードクライミングの特性 死のリスク

春以降、この地域で、リードクライミング中に重大な事故が発生していますので、以下に、「リードクライミングをはじめる方々へ クライミングジム自由人」というタイトルで、昨年春、本blogに書いた日記(一部改変)を再掲します。

リードクライミングをされる方はぜひご一読を。

リスク=危険×当該危険発生確率

フリークライミングは、多くの方がご存じのように、以下のスタイルに分類されます。つまり、
1、ボルダリング
2、ルートクライミング(ロープクライミングとも言われます)
(1)トップロープクライミング
(2)リードクライミング

ぼくはクライミング講習を生業としています。
しかし、仕事としてはトップロープクライミングとボルダリングのみしか教えていません。

リードクライミングの講習は一切しないわけではありません。
トップロープで確保した上で、もう一本のロープでリードの練習をしてもらうことはあります(以下、トップローブ付きリードクライミング講習と書きます。)

トップローブ付リードクライミング講習の場合は、そのリスク(危険×当該危険発生確率)はトップロープクライミングを上回ることはありません。なにしろ、一人がトップロープで確保し、もう一人がリードのビレイをしていて、さらに、確保者の横にはぼくがいて、逐一、指示をしているからです。

写真-4
↑トップローブ付リードクライミング講習の様子。このルート(初登がグラウンドアップだった可能性あり)は上部で落ちるとグラウンドフォールの危険があります。


リードクライミングに内在する危険 「死」

なぜ、リードクライミングの講習(トップロープなしの本当のリード)をしないのか?
それは、リードクライミングの講習は教える側も教わる側もリスクが高すぎると判断しているからです。

リードクライミングはトップローブクライミングやボルダリングに比べて、遙かに高いリスクを内包しています。
リードクライミングの内包する危険はねん挫や骨折ではありません。
それは死です。
このことはどうしても覚えておいてほしいと思います。

初心者同士でのリードクライミングはハイリスク


リードクライミングは、分相応なルートにトライするとしてもリードするクライマーと確保するクライマーの両者に一定以上の技量を要求します。ここでリードに必要な当該技量をL、確保に必要な当該技量をBとしましょう。そうすると分相応なルートにトライするとしても、安全の確保(もちろん相対的なもので絶対的安全ではありません)にはL+Bが必要です。

もしリードするクライマーの技量がこの技量に達していない(l)と、確保者の技量がいくら優れていても(B)、L+B>l+Bとなってしまいます。つまり、この組み合わせではリードするクライマーの生命と身体の安全(あくまで相対的安全)を確保することは無理なのです。

これからリードをはじめようとする人やリード初心者がこの技量Rに達しているとは、少なくともぼくには考えられません。従って、少なくとも高い注意義務を課せられてる仕事においてリードクライミングの講習をぼくがすることはありません(プライベートで仲間としてビレイすることはありえます)。

リードクライミングは間違えながら上達することを許してはくれない

ぼくは、複数回、リードして墜落した人の搬出をした経験があります。一度は心肺蘇生をしました(その方は助かりませんでした)。
あるビレイヤーはリード事故のショックでクライミングをやめました。
あるクライマーは告別式で、関係者から、あなたが止めてくれさえすれば、こんなことにはならなかった、と強く抗議されました。

これらの事故は一定以上のリード経験のあるクライマー同士で発生したものです。つまり、L+Bを確保したとしても死亡事故を完全に防ぐ事は困難なのです(慢心による影響は捨象します)。いわんや初心者同士、つまり、l+bをや、ということにならざるをえないのです。

加えて、初心者同士は、分相応なルートを選択する能力自体に疑問を感じます。
例えば、以下を的確に識別できるでしょうか?

一本目のクリップがスティッククリップで初登された可能性の高いルート
一本目より下に核心部のあるルート
上級者が設定したためにグレードに照らしてボルト間隔が遠いルート

以上より、ボルダリング、トップローブクライミング、トップローブ付きリードクライミングならともかくリードクライミングを初心者同士だけですることは、到底、ぼくにはオススメできません。

リード経験者同士がリスクの存在を認識しつつ、あえてそのリスクを選択する事と初心者同士がリスクの存在を全く認識できずに、そのリスクを認識できないまま選択する事との差はとてつもなく大きいと思います。なぜなら、リードクライミングの持つリスクは間違えながら上達することを許してはくれないからです。

良い師匠、先生を捜そう

リードクライミングを初心者同士で行う事はやめて、必ず、一定以上のリード経験のあるクライマーに、現場で、キチンと教わるようにして頂きたいと思います。

師匠と仰いで弟子入りするための目安は、一般的なスポートルートであれば、少なくとも5.11以上を複数リードしていることが必要と思います。加えて、もし鳳来で登るのであれば、5.12以上を複数リードしていることが望ましいと思います。

もし瑞浪や小川山でクラック(マルチピッチは除きます)を登るのであれば、5.10程度のショートルートをナチュラルプロテクションを適切にセットしながらリードできる技量が最低必要です。

ただし、上記を充たしても、それは直ちにその人があなたの安全を確保する充分な能力を持っているとはいえません。なぜなら、登る力はあっても、何が何でも一本目のプリクリップはNGと主張する人や実力的に危険なルートのリードを強要する人もいるからです。これらの点にも注意してください。

以上、今のうちに、老婆心ならぬ、老爺心より、アドバイスしておこうと考えました。

追記
多くの良書が存在する現在では昔ほど見かける事はなくなりましたが、スポートルート(いわゆるスポーツルート)でのリードビレイ時に壁際から離れ過ぎていたり、立木等に自己確保をセットしてビレイするクライマーをたまに見かけます。今後は、遠慮せず、その危険性(ムープ阻害/グラウンドフォールの危険増大etc)を指摘してゆこうと思います。
  1. 2014/06/25(水) 09:37:38|
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